学会主催研修のお知らせ:第26回年次大会プレワークショップ(第1回2021/2/14・第2回2021/6/26)

IADP-26th-Preworkshop

 

「事例研究」と聞くと、膨大な量のデータと見事な展開が必要だ」「ハードルが高い」と思っていませんか?
短いデータ、詰まった場面のなかで変化の鍵を捉えることができること、そこに事例研究のチャンスがあることはあまり知られていません。
臨床の実践家は、皆、研究者です。研究をすることは実践のキレをよくします。

2回の研修では、事例研究の目的と手順を基本的なことから学べます。
まずは治療的な面接を楽しめるようにな りましょう。
第1回は、詰まった面接を展開していくための実践的学びができます。
第2回は、どのように治療していくのかの治療方針、いわゆるマップを描ける(ケースフォーミュレーション)ようになるための研修です。

2021年の9月に開催する第26回年次大会で、ここでの学びを形にして、事例報告、事例研究としてぜひ発表してください。

研修理事 永山 智之

詳細はチラシをご確認ください。
PDFはこちらからダウンロードできます

 

申込方法

必要事項をご記入の上、E-mail、FAXまたは郵送にて学会事務局までお申込下さい。

国際力動的心理療法学会 学会事務局

郵送先:〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9 PAS心理教育研究所内
電話・FAX:03-6407-8201
E-mail: iadp@iadp.info

【必要事項】
1お名前
2ご年齢
3性別
4住所
5電話番号
6メールアドレス(携帯アドレスは不可)
7ご所属・職種
8最終学歴
9会員/非会員
10本プログラムをお知りになったきっかけ
11本プログラムへのご関心
12領収書を希望される方は、ご宛名と受取方法 (郵送/メール)

*申込用紙は、下記リンクよりダウンロード出来ます

申込用紙(word)

*申込締切:プログラム開催日の1週間前までとなります。

第2回理事選挙 投票のご案内

第2回理事選挙 投票のご案内

 

国際力動的心理療法学会 選挙管理委員会
委員長 小川 千代子
委員  黒木 明信
佐々木 美奈

 

国際力動的心理療法学会第2回理事選挙につきまして、令和2年7月17日付けで立候補者が確定となりました。

 

選挙運動期間

令和2年(2020年)7月18日(土)から7月31日(金)まで

投票期間

令和2年(2020年)8月1日(土)から8月15日(土)まで(当日消印有効)

投票権

国際力動的心理療法学会員が有する

投票方法について

投票権を有する会員に投票のご案内および投票用紙、投票用封筒を送付いたしました。
詳細はそちらをご確認ください。

 

理事立候補者(50音順)

石川 与志也
小谷 英文
嶋田 一樹
武野 顕吾
中村 有希
永山 智之
能  幸夫
橋本 和典
花井 俊紀

 

立候補の弁(50音順に記載)

 

石川与志也

切磋琢磨し臨床能力と研究能力を鍛え合い,今の社会における力動的心理療法家の使命をともに考え追求してきた本学会の伝統を引き継ぎ,会員一人ひとりが参与し,協働できる学会になるよう力を尽くしたいと思います。

 

小谷 英文

世界は現世代が経験したことのないパンデミックの渦中にある。精神世界も大きく揺れる中,本学会でこそ貢献できることを,学術的,臨床的,教育的プラクティスにおいてリードして行くことに奮励努力する所存である。

 

嶋田 一樹

4年間,理事として,大会長や広報の仕事に携わらせていただき,本学会が社会に果たすべき役割について,考えてきました。引き続き理事として,会員の皆様とともに,本学会が社会に,人に貢献できるよう尽力します。

 

武野 顕吾

前任時に本学会運営により深く関わらせていただいた中で,力動的心理療法のポテンシャルの高さ,その奥深さに改めて驚きました。それを日本のみならず全世界に発信する手助けを少しでもしたいと願い,立候補します。

 

中村 有希

研修理事として本学会の中核である訓練の体験機会を各所で提供し本学会を通じて心理療法の社会的認知度を高めるべく,活動してまいりました。ベテランのみならず初心の臨床家訓練への展開に尽力したい所存です。

 

永山 智之

私は第26回大会会長として進めてきた取り組みを元に,①新たな地域・分野の参加者の開拓②市民・専門家の交流や学会発表の活性化③オンラインジャーナル化④訓練システムの強化・実践知の可視化に貢献します。

 

能  幸夫

新しい生活スタイルが模索される昨今の情勢の中で,本学会が掲げる誰もが主体的に参与する心理療法の研究と訓練の場としての意義はさらに重要性を増しています。理事として,本学会の運営に微力ながら力を注ぎます。

 

橋本 和典

現在のコロナ禍による心理社会的問題には,力動的心理療法が欠かせない。私はIADPと共に危機介入からのメガ災害中長期心理療法に取り組んできた。その経験をさらに本学会発展に活かし,会員増強にも貢献したい。

 

花井 俊紀

国内外で孤立や分断が広がる現状に対し,初心から大御所まで互いに刺激しあい共に成長する本学会の風土を発展させ,発信していきたい。事務局員として以上に理事の責任を持って貢献したいと考え,立候補します。

2019年10月開催 学会主催 第25回記念大会プレワークショップ

[:ja]2019年10月5日(土)に「第25回記念大会プレワークショップ」を開催します。

ケース理解と方針の組み立て
ーケースフォーミュレーションを学ぶー

テーマは「ケースフォーミュレーション」です。

臨床家は、どんな相談者でも、訴えを聞いた上で、心理学的な問題を理解しようと務め、相談者が困っていることの理解を伝えたうえで、協働して問題に取り組んでいきます。

このワークショップでは、相談者の問題は何か、どうして問題が生じたのか、問題の由来と成り立ちを点検し、相談者の心の運用に変化を生み出す鍵(変数)を導き出す手続きを学びます。

問題が起きる原理を見出すことができれば、相談者の危険を予見することができます。

また、変化を生み出す仕組みを形にし(定式)、戦略をもって関わることができるようになります。実践的なワークショップによる研修です。

ケースをもって参加しましょう。準備はいりません。関心のあるケースのメモでOKです。

IADP研修理事 中村有希

日程:2019年10月5日(土) 17:15~20:15

講 師:小谷英文Ph.D.(IADP 理事長・国際基督教大学名誉教授)

参加費:一般専門家 5,500円(税込) IADP会員・大学院生 4,400円(税込)

対 象: 心の教育・治療に関わる専門家、力動的心理療法/精神療法・精神分析・力動論・集団力学に関心のある方、専門家を目指す大学院生、子どものことを理解したい教師、コンサルティのことをもっと理解したい企業コンサルタント、アスリートのメンタルコーチも歓迎します。

会 場:パス心理教育研究所(Pinney’s Hall)
〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9

IADPWS_20191005

 

お申込は下記のリンクより申込用紙をダウンロードし、1)メール、2)FAX、3)郵送、いずれかの方法で学会事務局までお送りください。

申込用紙はこちらから

国際力動的心理療法学会 学会事務局
〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9
Tel & FAX: 03-6407-8201
E-mail: iadp@iadp.info

[:]

特別研修プログラム「危機介入」のお知らせ

[:ja]2019年11月に開催される記念大会に先立ち、学会主催セミ ナーを静岡で行います。

地域、病院、学校、企業組織、様々な危機事態における臨床家の働きについて参加者が直面されている事例をもとに基本的な理論と技法を学ぶ機会をご案内いたします。

 

日 程 :2019 年 8 月 10 日(土) 16:30~19:30

講 師 :小谷 英文 Ph.D. (IADP理事長・国際基督教大学名誉教授)

参加費:一般専門家 5,400 円 IADP 会員・大学院生 4,320 円

対 象: 心の教育・治療に関わる専門家で、力動的心理療法/精神療 法・精神分析・力
動論・集団力学に関心のある方、専門家を目 指す大学院生

会 場:医療法人社団 リラ 溝口病院(5 階) 〒420-0813 静岡市葵区長沼 647

 

 

申込用紙はこちらからダウンロードできます[:]

Program of 25th Memorial Annual Congress of IADP

[:ja]IADP will hold 25th memorial annual congress of International Association of Dynamic Psychotherapy, in Tokyo, on November.2nd-4th, 2019.

We welcome your joining to our 25th memorial congress !

 

Program of 25th Memorial Annual Congress (English)

 

 

Day: Nov. 2nd-4th, 2019

Venue: Tokyo Medical University
(6-1-1 Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo 160-8402, JAPAN)
Map: https://www.tokyomed.ac.jp/english/contact/index.html#access

 

Theme: Time to Change: When do we become adults?

Congress Chair: Yuki Nakamura, Ph.D.
(Director, Institute of Psychoanalytic-Systems Psychotherapy/ Lecturer, Tokyo Medical University

Language: Japanese & English

 

[:en]IADP will hold 25th memorial annual congress of International Association of Dynamic Psychotherapy, in Tokyo, on November.2nd-4th, 2019.

We welcome your joining to our 25th memorial congress !

 

Program of 25th Memorial Annual Congress (English)

 

 

Day: Nov. 2nd-4th, 2019

Venue: Tokyo Medical University
(6-1-1 Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo 160-8402, JAPAN)
Map: https://www.tokyomed.ac.jp/english/contact/index.html#access

 

Theme: Time to Change: When do we become adults?

Congress Chair: Yuki Nakamura, Ph.D.
(Director, Institute of Psychoanalytic-Systems Psychotherapy/ Lecturer, Tokyo Medical University

Language: Japanese & English

 

[:]

臨床研究発表・研究サポート 演題登録期間延長のお知らせ

[:ja]国際力動的心理療法学会第25回記念大会は、臨床研究発表・研究サポートの演題登録を受け付けておりましたが、この度、より多くの方に発表いただくために期間を延長いたします。

また、それに伴い、発表要旨の提出期限も延長します。提出期限は以下の通りです。皆様の登録をお待ちしております。

<臨床研究発表・研究サポート>

演題登録期間:   2019年5月20日(火)

発表要旨提出期限: 2019年6月14日(金)[:]

第25回年次大会 第2号通信

大会事務局より、国際力動的心理療法学会 第25回大会の第2号通信が届きましたので、お知らせします。

第2号通信では、3日間の大会プログラムを掲載しております。

今回も国内外よりゲスト・ファカルティをお招きし、多くを学べるプログラムとなっております。また、第25回大会の臨床研究発表と事例スーパーヴィジョンの発表者を募集しております。詳細は大会ウェブサイトの演題募集のページをご確認ください。

 

第25回年次大会(2019年11月2日〜4日)のお知らせ

国際力動的心理療法学会 第25回年次大会の開催が以下のように決定しました。

国際力動的心理療法学会 第25回年次大会
大会テーマ:変化の時 Time to Change –現代人はいつ大人になるのか–
大会会長:中村 有希(PAS心理教育研究所/IADP理事/東京医科大学非常勤講師)
日程:2019年11月2日(土)〜4日(月・休)
会場:東京医科大学 新宿キャンパス
大会ウェブサイト:http://25annual.iadp.info

大会事務局より、大会の第1報が届きましたのでお知らせいたします。

 

また、第25回大会の臨床研究発表の演題登録が開始されました。

心理療法の事例研究・事例報告、そして心理療法研究への展開に向けたリサーチ研究を発表できるまたとない機会です。
皆様の積極的な発表をお待ちしています。

詳細は大会ウェブサイトの演題募集のページをご確認ください。

特別研修プログラム『力動的危機介入の実際』のお知らせ

 

災害、事故、犯罪、虐待によって、人が進退窮まる事例が増えています。心の死の危機に対応するには、力動的視点が欠かせません。危機対応は力動的心理療法そして精神看護領域のセルフケア・セラピィにおける専門性の柱でもあります。助けを自ら求めることができない子供や大人が増えている臨床実態を踏まえ、心の危機介入の基本理論と技法を体験的に学ぶワークショップを行います。身近な事例を持ってお集まりください。

 

日 程 :2018年11月11日(日) 9:30~14:30

講 師 :小谷 英文Ph.D.
(IADP理事長・国際基督教大学名誉教授)

参加費:一般専門家 7,000円
IADP会員・大学院生 6,000円

対 象: 心の教育・治療に関わる専門家で、力動的心理療法/精神療法・精神分析・力動論・集団力学に関心のある方、専門家を目指す大学院生

会 場:CSA貸会議室「ペガサート」会議室A
〒422-8581 静岡市葵区御幸町6-1

申込方法:下記の必要事項をご記入の上、郵送、FAXまたはE-mailにて学会事務局までお申込下さい。
①お名前 ②ご年齢 ③性別 ④住所 ⑤電話番号 ⑥ご所属・職種  ⑦最終学歴 ⑧会員/非会員 ⑨本プログラムをお知りになったきっかけ ⑩本プログラムへのご関心

申込用紙はこちらからダウンロードできます

 

Web参加申込が可能になりました(2018/9/20)

 

*申込締切:2018年11月9日(金)18時まで

お申込・お問い合わせ先
〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9 パス心理教育所内 学会事務局
E-mail: iadp@iadp.info 電話・ファックス:03-6407-8201

会場までのアクセス
CSA貸会議室 ペガサート
〒420-2857 静岡市葵区御幸町3-21
JR「静岡駅」より徒歩6分
静岡鉄道「新静岡駅」隣接

 

チラシはこちらからダウンロードできますので、ご覧ください

 

震災復興支援ニュース:「熊本地震-2年の経過を経て-」

熊本地震後の被災者支援・支援者支援を精力的に取り組んでいる宇佐美しおり先生(当学会会員・熊本大学大学院生命科学研究部教授)より、熊本地震より2年を経た現状と今後の課題についてレポートが届きました。

 

2018.5.7. 公開

熊本地震-2年の経過を経て-

 

宇佐美しおり(熊本大学大学院生命科学研究部看護学講座)

 

2016年4月14日・16日の熊本地震からすでに2年が過ぎようとし、記念日を迎えるにあたり新聞、テレビ報道が地震後の現状に対する評価と批判など、記事にしようと躍起になっている。しかしこれもまた記念日がすぎると忘れ去られるものとなるのだろう。

物理的復興も進み、全壊だった筆者の自宅周辺にも家が再建され近隣と再会することが可能になった。最も被害の大きかった道路は閉鎖されたが、それ以外は道路や橋も整備され、物理的には他の地域と変わらなく生活ができるようになってきている。物理的復興が進み時間がたつほど、被災者の心理社会的問題は抑圧され、さらに被災者であり支援者であった看護職や支援職は、被災地域において2-3年経過以降、離職やうつ、PTSDが進むことが世界の中でも報告されている(Mealer,Mら,2009;山本ら,2017)。

これらの結果をもとに、筆者は、小谷英文博士(PAS心理教育研究所理事長、国際基督教大学名誉教授、国際力動的心理療法学会(IADP)理事長)の治療支援を得て、熊本地震直後から、被災者であり支援者であった看護職の離職防止、特に抑うつ、外傷後ストレス障害(PTSD)、慢性疾患の悪化防止を目的とし予防介入プログラムを実施している。震災後1年間は熊本県看護協会とともに、2年目からはWHOの研究助成を受け、兵庫県立大学地域ケア開発研究所(増野園恵所長,山本あい子前所長)とともに、人々の健康を維持するための予防介入プログラムの開発・検証に取り組んでいる。熊本県看護協会と日本専門看護師(CNS)協議会を後援団体としてこれらの取り組みを後援してくれた。この予防介入プログラムは2つのパートに分かれ、増野園恵所長たちが実施する慢性疾患予防介入プログラムと看護職の離職防止を目的とし、離職の引き金となる抑うつ、PTSD予防・悪化防止のための予防介入プログラム(熊本班)がある。WHOはこの予防介入プログラムを警察や消防、行政職へも応用することを期待している。

熊本班の予防介入プログラムは2日間のprogramから構成され、自分の抑うつ、PTSDとどう向き合いながら仕事を継続するのかという公開相談、小講演のプログラムと、力動的集団精神療法ならびにセルフケア促進のための個別相談から構成されている。2年間で、力動的集団精神療法が延べ427名、公開相談が延べ351名、個別相談が延べ107名、専門家コンサルテーションが延べ15名、合計延べ900名がこのプログラムに参加している。またこのプログラムの評価をうつ状態のスクリーニングとしてCES-D、健康状態による生活の質評価としてSF-8、心の状態変化として小谷博士が開発したDCTR(Dynamic Change for Trauma Response,DCTR)を用い、介入前後、3か月後、6か月後で測定している。参加者のうつ状態は中等度のうつ状態で健康状態によるSF-8も他の研究と比較すると身体的側面、精神的側面双方とも悪い状態ではあったが、介入前後の心の状態は変化し、介入後に食欲、睡眠、重要他者への信頼度と愛情、仕事や生活への意欲が増していた。現在、3か月後、6か月後のデータ整備を行っているところである。さらに予防介入プログラムの内容を対象者の了解を得てテープ録音し、グラウンデッドセオリーアプローチ並びに事例分析を用いて分析を行っている。分析途中ではあるが、参加者は地震前に重要な人の喪失、重要他者からの身体的・性的虐待、はく奪体験を受け、地震の後に、仕事におけるトラブルが引き金となり、トラウマ反応、抑うつが強くなり仕事の継続が困難になっていた。しかし看護管理者ならびにCNSがその状態に気づき、予防介入プログラムへと導入した対象者であり、自分の状態への気づきから開始し、意識したセルフケアへと展開を助ける必要のある対象者であった。また事例分析では力動的集団精神療法で自己の安全空間をgroupメイトリックスの中で気づき、グループの安全感に支えられながら個人の怒り、悲しみ、虚しさに気づいて自分で表現し、さらに自分の欲求に触れながら自分の生活の再構築を図っていた。そして、継続して参加することで自分の生活を意図的に展開できるセルフケアが可能になっていた。

これらの予防介入プログラムを実施できる人材は医療界、精神看護の領域には少ないことが今回の地震を契機に明らかとなり、筆者は、専門看護師(Certified Nurse Specialist,CNS)として、高度実践看護師(Advanced Practice of Registered Nurse.APRN)に必要なスキルであると考えている。海外においては、APRNのCNSならびにNP(Nurse Practitioner)がカトリーナ、台風、竜巻、大洪水、テロなど大災害や人的災害後のトラウマ治療に対しAPRNが取り組めるようResilience Trainingに取り組み始めたが、看護の学部、大学院教育にトラウマを含めたうつや人格障害患者への治療がかけていることが報告されている(Wheeler,K,2018)。日本においても身体疾患を有し急激なインフォームドコンセントや病名告知、治療展開にうつ状態やトラウマを有する人たちが増えてきており、また自分の衝動や欲求が言葉で表現できずに身体・行動に身体化、行動化として表出する患者が増えてきており、看護管理者や看護者を通じてケア困難患者と表現され、CNSがこれらの患者に出会い治療・看護ケアを展開することが多い。

CNSが困難患者と出会い、患者が改めて自分のセルフケアを意識的に取り戻していく過程に対する治療展開をPAS-SCT(Psychoanalytic Systems – Self-care Therapy,パスーセルフケア治療)と呼び、筆者は小谷英文博士の指導の下、この技法の理論整備と介入技法の開発、検証に取り組み始めた(小谷,2018)。

現在取り組みの真っ最中であり、今後APRNが実施できる普遍的技法として位置付けていきたいと考えているが、震災支援が日常の専門家としての気づきを促進し方向性をもたらしてくれている。

 

引用文献

  1. Mealer,M.Burnham,L,Ellen, Goode, J.Colleen., Rothbaum, B.,Moss, Marc.(2009): The Prevalence And Impact Of Post Traumatic Stress Disorder Andburnout Syndrome In Nurses,Depress Anxiety. 2009 ; 26(12): 1118–1126
  2. Wheeler,K.(2018):A Call For Trauma Competenceis In Nursing Education,24(1),P20-22,Journal Of The American Psychiatrc Nursing Association.
  3. 山本あい子・宇佐美しおり(2017): Development Of Specific Care Strategies To Maintain And Recover Among Survivors’ Health After Disasters,WHO RESEARCH PROPOSAL.

編集責任者 理事(編集担当) 嶋田一樹